Intel ISEFとは?

 「ISEF」は、「International Science and Engineering Fair」の略で、「国際学生科学技術フェア」などと和訳されています。世界75以上の国と地域の約700万人から選ばれた約1700人の高校生(9-12grade)が自分たちの研究を披露しあう科学研究コンテストで、いわば「科学のオリンピック」です。半世紀以上も続いている伝統あるフェアで、毎年5月にアメリカの都市で開催されます。2019年まではロサンゼルス、ピッツバーグ、フェニックスの3都市で順番に開催されることが決まっています。

 運営主体はワシントンにある非営利団体のサイエンスサービス「Society for Science & the Public」で、1997年よりインテル社がメインスポンサーとなり「インテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)」となりました。大きなスポンサーを得たことや、最近の科学研究への関心の高まりもあり、このフェアはますます大規模になってきました。

(インテル社によるIntel ISEFダイジェスト動画)

賞金・賞品の相当総額は4億円以上!

Topimage-32.jpg 22の分野ごとに、1等賞(First Place)から4等賞(Fourth Place)までの優秀賞(Grand Award)が授与されます。 賞金は1等賞から順に3000ドル、1500ドル、1000ドル、500ドルです。1等賞の中で最も優秀なプロジェクトに部門最優秀賞が授与されます。さらに全分野の中から選ばれた上位3名のうち、2人には5万ドルの奨学金、最優秀の1名にはゴードン・E・ムーア賞として7万5000ドルの奨学金が授与されます。

 また、数十程度の企業や学会、政府団体、大学が特別賞を授与します。賞品は、奨学金やインターンシップ、旅行、実験機器などです。 特別賞は、各団体の独自の基準で審査されるため、複数の賞を取ることも珍しくありません。 これら賞金の総額400万ドル(日本円で約4億円)以上にもなります。

 詳しくは「賞の紹介」ページをごらんください。

どうやって審査されるの?

 会場には各参加者にブースが与えられ、そこに規定のパネルや持参した実験器具などを展示します。審査の日には研究者はブースの前に立ち、審査員に説明したり、質問に答えたりします。審査員は科学者や技術者で1000人以上にもなり、多くがボランティアです。ノーベル賞受賞者もたくさん参加しています。

競うばかりでなく国際交流も!

Topimage-7.jpg 自分たちの研究を競うだけではありません。国際交流の場でもあるのです。ピンバッジ交換は、ISEFの伝統となっています。これが生徒同士の交流に役立っており「Do you have a pin?」の一言がきっかけに友達になることもあります。大人が参加できないパーティーなどもあって、科学の話題だけでなく盛り上がります。

日本からどうやったら参加できるの?

   Intel ISEFと提携する科学コンテストで選ばれると参加できます。提携コンテストについては、こちらをごらんください。

日本サイエンスサービスでは、日本代表に選ばれたファイナリスト向けに研修会の開催や書類作成のアドバイス等、派遣準備をサポートしております。

Intel ISEF関連書籍・映画

日本でもいくつかのIntel ISEFを題材にした書籍が出版されています。中には、映画化され、英語教科書の題材になっているものもあります。(書籍の画像をクリックすると、Amazonのサイトに飛びます。)

理系の子 高校生科学オリンピックの青春(2012) 単行本・文庫 ジュディ・ダットン 著、横山 啓明 訳  文藝春秋

Intel ISEF2009に出場した高校生やさまざまな境遇の米国のサイエンスフェアに参加した高校生たちの感動の物語です。ノンフィクション作品として幅広く読まれており、この本をきっかけにIntel ISEFの存在を知った方も多いのではないでしょうか。日本語版には日本のファイナリストの経験談も含まれています。2014年に文庫化されていますので気軽にお読みただける一冊です。

ぼくは科学の力で世界を変えることに決めた (2015) ジャック・アンドレイカ 著、マシュー・リシアック 著、中里 京子 訳  講談社

検出が困難で、見つかった頃には手遅れであることが多いと言われるすい臓がん。すい臓がんで大切な人を亡くした経験からこの困難な課題に正面から取り組んだ少年の自伝です。Intel ISEF2012で低価格かつ高感度のすい臓がんの検出センサを開発し、最高賞であるゴードン・ムーア賞を受賞したジャック・アンドレイカが、いじめを乗り越えた体験やすい臓がんセンサの開発に至るまでの背景や苦労を記した一冊。ジャック・アンドレイカはTED Talksなどでも講演しており、現在、最も有名なIntel ISEFファイナリストの一人です。

文庫 ロケットボーイズ 上・下 (2016) ホーマー ヒッカム ジュニア 著、武者 圭子 訳 草思社 

1957年に人類初の人工衛星、スプートニクに魅せられた炭鉱の田舎町の少年たちがロケット開発に挑戦して、Intel ISEFの前身であるNational Science Fairで優勝するまでの成長を描いた自伝。物語の主人公である著者はサイエンス・フェア参加をきっかけにNASAのエンジニアとして活躍した人物です。まさに、アメリカン・ドリームを体現したストーリーです。現在は文庫版のみ販売されています。

映画 遠い空の向こうに (1999) ジェイク・ギレンホール 出演、クリス・クーパー 出演、ジョー・ジョンストン 監督 ユニバーサル

上述のロケットボーイズを映画化したのが、映画 遠い空の向こうにです。原題October Skyは、Rocket Boysのアナグラムになっています。少年たちの青春の物語を非常にうまく描いた、おすすめの感動作です。感動のあまり、思わずサイエンス・フェアに参加したくなる映画です。

Intel ISEF参考書籍

これから研究を始め、Intel ISEFに挑戦してみたい中高生向けの参考となる書籍をご紹介します。

中高生のための 科学自由研究ガイド (2015) ターニャ・M・ヴィッカーズ 著、西本 昌司 訳、村本 哲哉 訳、佐々城 清 訳、高橋 正征 訳、NPO法人日本サイエンスサービス 訳  三省堂

アメリカの中高生に広く利用されている科学自由研究の指南書"Teen Science Fair Sourcebook"の翻訳に加え、国際大会経験者の解説など日本独自の情報が盛り込まれた一冊です。課題研究や自由研究で何から始めたらよいか迷っている方から国際大会参加を目指す中高生や指導者の方まで幅広くお使いいただける内容となっています。日本サイエンスサービスが翻訳や日本向け情報の提供を行っています。