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Intel ISEF日本代表の研究概要紹介 2009/03/17

 5月10日から16日にかけて、米国ネバダ州リノにて開催される国際学生科学技術フェア( Intel ISEF )に日本代表として派遣される研究を紹介します。現在、出場者は現地での英語の発表に向けて準備を進めているところです。

 なお応援メッセージも受け付けています。NPO法人日本サイエンスサービス事務局までご連絡ください。


第52回日本学生科学賞・文部科学大臣賞

埼玉県立川越女子高等学校2年・江田優紀さん


「高麗川水系ナミウズムシの生殖様式と生殖転換因子に関する研究」

研究分野:動物科学

  プラナリアの一種であるナミウズムシには、生殖器官を持ち有性生殖のみをするものと分裂による無性生殖のみをするものが知られています。4年間ナミウズム シを採集しましたが、無性生殖のみで増殖する個体しか見られなかったことから、環境条件の悪化で有性生殖をするようになるのではないかと考えました。そこ で、採集したナミウズムシを低温条件で飼育したところ、数個体で卵巣が観察できました。しかし残念ながら、産卵には至りませんでした。この原因としては、 これらの個体の染色体数が3n=24(通常2n)であった事から考えると、温度刺激によって生殖器官が生じるものの、3倍体であることが正常な配偶子形成 を妨げているのではないかと結論付けています。



第52回日本学生科学賞・科学技術政策担当大臣賞

開成高等学校1年・宇山慧佑


「PCを利用した画像処理によるロボット制御に関する研究-3次元CADとRTミドルウェア導入による開発の効率化-」

研究分野:エンジニアリング

  宇山さんは、ロボットを用いた競技に勝つことに重きをおくより、ロボットの性能向上や新たな技術に挑戦したいという気持ちから、自ら画像処理を行うことが 可能なパソコンを搭載したサッカーロボットの設計・製作をしました。ロボットの設計には3次元コンピュータ支援設計(CAD)を用い、実際に組み立てる前 にコンピュータ上で部品の位置や動作を確かめています。また、ロボットテクノロジー(RT)ミドルウェアを使って、ロボットを制御するソフトウェアを部品 化し、簡単に一部を変えられるように工夫して設計の効率化を図っています。



第52回日本学生科学賞・全日本科学教育振興委員会賞

清風高等学校・谷口文章さん・辻井悠希さん・杉本優さん


「バラタナゴの産卵を解発するドブガイの信号刺激-バラタナゴはドブガイ模型に産卵するか-」

研究分野:動物科学

  コイ科の淡水魚であるバラタナゴは二枚貝のドブガイに産卵する習性を持ちます。ドブガイの貝殻のみを水槽に入れた時にも、オスは縄張りを形成し、メスは産 卵に至らなかったものの産卵行動を行ったことから、ドブガイの模型を使って、産卵を誘発する刺激を調べています。模型を使って様々な比較実験を行った結 果、バラタナゴの産卵の誘発には、ドブガイの殻の黒くて楕円形の形態、出水管の色、ドブガイが吐き出す水のアミノ酸組成およびその適度な流速が信号刺激と して重要であることを確かめました。



JSEC2008・文部科学大臣賞

関西学院高等部・山内俊幸さん、井上貴文さん、松井啓史さん


「ヨセフス問題とパスカル的三角形」

研究分野:数学

  先行研究によりピラミット状に規則性を持って並べた数字が「パスカル的三角形」と名づけた理論になることが報告されています。さらにこの三角形からフィボ ナッチ数列に似た数列があることも報告されました。それを踏まえ今回は、フィボナッチ的数列を2のm乗(mは自然数)で割ってできる数列に関して、周期を 求めることができること証明しました。さらに、ヨセフス問題にも興味をもち、両方向へ取り除く問題の解は、奇数と偶数に分けると規則性があることを証明し ています。C++を使ったプログラミングの手法も取り入れ、研究を進めています。



JSEC2008・科学技術振興機構賞

奈良女子大附属中等教育学校・西田 惇さん


「筋電位計測システムの開発とその応用」

研究分野:エンジニアリング

  この研究は、コンピューター操作をより直感的におこなうこと、特に腕の動作を操作に反映させることを目的としています。そのために、筋電位(脳から筋肉へ の制御信号)を10万倍にする増幅回路やノイズ除去フィルタの設計、筋電位の閾値判定のアルゴリズム開発をおこないました。実際にモーターカーやゲームを 腕の動作だけで操作したところ、直感的な制御が可能であることを確認しました。



JSEC2008・優秀賞

早稲田大学高等学院・井澤佑斗さん


「ハエの寿命を延長させる最適光条件の発見 ~変態時期に着目して~」

研究分野:動物科学

  小学校の自由研究でダンゴムシの寿命を恒暗条件で延ばした経験から、本研究では同じ節足動物門に属するショウジョウバエの光条件と寿命の関係を調べていま す。「卵期」「幼虫期」「さなぎ期」「成虫期」の4つの変態時期に着目し、それぞれの時期に明暗条件、恒暗条件のどちらかを与え、寿命の変化を調べまし た。成虫期を恒暗条件においた場合、明暗条件においた場合と比べ寿命が1.5倍になるという結果を得ています



本資料は、読売新聞社および朝日新聞社などから得た情報をもとにNPO法人日本サイエンスサービスが独自にまとめたものです。

日本学生科学賞は読売新聞社主催、JSEC(ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ)は朝日新聞主催の科学自由研究コンテストです。コンテストの詳細は各主催社にお尋ねください。